カンデ(トウモロコシと豆の煮込み)

料理名(日・英・現地語)

カンデ(トウモロコシと豆の煮込み)(日)
maize stew(英)
kande(スワヒリ語)

食されている国や地域

タンザニア・ンジョンベ州

この料理って?

トウモロコシとマメをコトコト煮込んだ、おかず不要のメニューです。タンザニア全国各地で食されていますが、とくに南部のンジョンベ州に住むベナの人々は、これを代表的な民族料理だといって好んで食べます。マメはインゲンマメを使うのが一般的ですが、時にはササゲやエンドウマメ、バンバラマメを使って風味の違いを楽しみます。単純な料理ですが、ベナの女性たちはマメの種類や収穫時期(未熟果/成熟果)、調味料にこだわって、千差万別の味わいを生み出します。

材料5人分

  • トウモロコシ粒400g
  • 乾燥インゲンマメ100g
  • 玉ねぎ半分
  • ピーナッツ粉末50g
  • サラダ油適量
  • 適量
  • 適量

食べるときに、好みでトウガラシやルダヒ(コショウの仲間)を加えます。

調理手順

材料)左上:マメの水煮缶、右上:種皮を除いたトウモロコシの水煮(固形部分を一部、取出して撮影)、左下:玉ねぎスライス、右下:ピーナッツ粉末 。

1) トウモロコシとインゲンマメを洗って土鍋に入れ、2~3倍量程度の水を入れて火にかける。途中で水が足りなくなれば適宜たしながら、材料がすべて柔らかくなるまでじっくり炊き上げる。

2) 玉ねぎを薄くスライスする。

3) 別の鍋にサラダ油を熱して、2)を透き通るまで炒める。

4) 3)に1)の固形分と塩とを加え、よくかき混ぜて塩をなじませる。

5) そこにピーナッツ粉末を加えて、焦げないように混ぜながら、香ばしい薫りがたつまで加熱する。

ピーナッツ粉末を加えて混ぜる。

6) 最後に1)の煮汁を適量加えて、塩で味をととのえ、全体が温まるまで軽く煮込む。

最後に加える煮汁の量で、好みの「とろみ(さらさら~とろとろ)」に調整する。

できあがり。

 

~日本で調理する際のアドバイス~

☆ 乾燥インゲンマメは、市販されている各種マメの水煮でも代用できます。その場合、手順1)ではトウモロコシを単独で炊き、マメと煮汁はそれぞれ手順5)と6)で加えます。

☆ 手順1)に圧力鍋を使うと調理時間を短縮できます。

 

 

 

フィールドメモ

☆ タンザニアの農村では、手順1)の土鍋を夜通し、かまどの熾火にかけておきます。翌朝にはトウモロコシとマメがふっくら炊きあがっています。

☆ タンザニアで主に栽培されているトウモロコシは、成長過程で糖分がデンプンに変わる、デントコーンやフリントコーンという品種です。未熟果を入手できる季節には、トウモロコシの粒をそのまま調理します。成熟・乾燥したトウモロコシを使う場合は、穀粒を杵と臼でついたり機械にかけたりして、種皮を取り除いてから調理します。

種皮を取り除いた乾燥トウモロコシ。

☆ 日本で販売されているトウモロコシはたいてい、澱粉含量が少なく糖質含量が高いスイートコーンで、この料理には向きません。まれに “昔の味がするトウモロコシ”などと銘打ってフリントコーンが販売されているので、探してみてください。

 

紹介者:近藤 史