ジムシの包み焼き

料理名(日・英・現地語)

ジムシの包み焼き
liboké ya posé(リンガラ語)

食されている国や地域

コンゴ民主共和国などの中部アフリカ諸国

この料理って?

コンゴ民主共和国などアフリカ熱帯雨林地域で幅ひろく食べられている。アブラヤシの木にすむジムシ=ゾウムシの幼虫(リンガラ語で「ポセ」)は、食欲をそそるような見た目ではないが、食べてみるとクリーミーな味わいで絶品。調味料や植物の葉と一緒にバナナの葉やクズウコン科の葉で包んでおき火で焼くと(この調理法は「リボケ」と呼ばれる)、香ばしくおいしい。

材料(2~3人分)

  • ポセ10~20匹
  • 葉(ベフィリ=マメ科ジャケツイバラ亜科の植物 (Scorodophloeus zenkeri)、ニンニクのような香りがする)適量
  • 適量
  • トウガラシお好みで

調理手順

1) ポセをはさっと水で洗い、はらわたを取り出す。まだ生きていても気にしない。
2) ベフィリの葉をこまかくちぎる。
3) 1)と2)を塩とともにバナナの葉に包み、バナナの茎でしばる。
4) 3)をおき火でじっくり焼く。火に近づけすぎて葉っぱが焼けてしまわないように注意。


ポセ、まだウヨウヨと動いている


下処理をして調味料を加え、おき火でじっくりと焼く(写真提供:木村大治氏)


香ばしく焼けたら完成(写真提供:木村大治氏)

フィールドメモ

ゾウムシの幼虫は、アフリカのみならず東南アジアやオセアニアでもよく食べられているポピュラーな食材である。串にさして焼くこともあり、生のまま食べることもある。昆虫食全般に関していえば、世界中ですくなくとも20億人以上の人びとが1900種以上の昆虫を食用として消費しており(FAO 2013)、なかでもアフリカ熱帯雨林地域は、多種多様なレパートリーをもつ地域のひとつである。栄養価が高く、すくないエサで大きく育つ昆虫は、食料安全保障の観点からも注目されている。もちろん「食」というのは、味や栄養だけで決まるものではなく、文化的な営みであることから、昆虫食に対して抵抗感をもつ人もすくなくないだろう。しかし、先入観を捨ててさまざまな食文化に目を向けてみれば、そこには豊かな食の可能性が広がっているかもしれない。 紹介者:松浦直毅

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日本とアフリカに暮らす人びとが、それぞれの生き方や社会のあり方を見直すきっかけをつくるNPO法人「アフリック・アフリカ」です。