森の蜂蜜酒ジャンブ

料理名(日・英・現地語)

森の蜂蜜酒ジャンブ
Honey wine of African rainforest
jambu (Baka)

食されている国や地域

カメルーン東南部の熱帯雨林地域

この料理って?

大乾季の中盤から、カメルーン東南部に広がる熱帯雨林ではバカ・ピグミーの人々をわくわくさせる野生アフリカミツバチの蜂蜜のシーズンが訪れます。貴重な森の蜂蜜を使った世界一贅沢な飲み物がジャンブです。

材料(X人分)

  • 森の蜂蜜適量
  • 適量
  • 樹皮(詳細は森の民に相談されることをお勧めします。)お好みに応じて。
  • アルコール発酵に十分な時間気温によって異なります。カメルーン東南部のドンゴ村(北緯2度)での調理では、半日から1日半程度が適当でした。

調理手順

1)蜂蜜は、アフリカミツバチの幼虫や成虫が混入しないように、注意しながら蜂の巣から搾り出しておく。
2)用意できた蜂蜜の量に見合った分量の水を鍋に用意する。
3)鍋の水に、下ごしらえした蜂蜜を少しずつ加え、適宜撹拌しながら混ぜ合わせ、溶解させる。かなり甘く(参考:ポカリスエットよりも甘く、コカコーラよりも甘くない程度)感じられる程度に調える。
4)お好みで味付け用の樹皮を入れ、鍋にふたをして(森の中であればクズウコン科植物の葉っぱやバナナの葉などでふたをし)、自然にアルコール発酵が起こるのを待つ。全体に気泡が発生してくれば飲みごろ。


蜂蜜採集のようす


蜂蜜


混ぜる


乾杯!(できあがり)

フィールドメモ

蜂蜜酒はアフリカ各地に伝わる地酒の一つですが、一般に報告が多いのはやや乾燥したサバンナや疎林地域で作られているものです。こうした地域では、多くの場合、野生の蜂蜜よりも養蜂により飼育された巣から採取された蜂蜜が用いられます。本レシピで紹介したジャンブ(jambu)は、森の民バカ・ピグミーによってつくられる混じり気なし、天然ものの蜂蜜100%で作られる大変贅沢な飲み物です。男性が夢中になって行う蜂蜜採集には、大変な時間と労力―広大な熱帯林の中で営巣木を見つけ、半日近くかけて斧一本で伐採し、蜂の群れに刺されながら手でつかみだす―がかかります。多くの場合、蜂蜜はすでに「komba(神様)によって調理された食べ物」として蜂の子の入った巣ごとそのまま食されますが、多量に蜂蜜が手に入った場合にはジャンブがつくられることがあります。樹皮を入れて、薬用とする場合もあるとのことです。

紹介者:大石高典

ABOUTこの記事をかいた人

日本とアフリカに暮らす人びとが、それぞれの生き方や社会のあり方を見直すきっかけをつくるNPO法人「アフリック・アフリカ」です。