職業訓練所で学ぶ少女たち:フランソワーズの場合

村津 蘭

 

現在、職業訓練所で学んでいる少女は6人います。ソコニイルカ・プロジェクトでは、ベナンの女性の一般的な職業である服の仕立てと髪結いの訓練を実施しています。この少女たちは、福祉センターや地区長、警察、或いは地域の人から、援助が必要であると紹介を受けました。子どもたちは、両親や片方の親を亡くしたり、または親から無理やり無償の奉公をさせられていたり、様々な事情を抱えていました。

私たちのNGOでは、少女たちが紹介された場合、家庭・コミュニティ訪問を行い、より詳しい状況を聞き取ります。そして援助が必要であると判断でき、子どもの希望がある場合に、職業訓練を無料で提供することにしています。

ベナンでの職業訓練の仕組みは徒弟制で、主人がいる髪結い屋・仕立て屋で実際に働きながら、少しずつ主人から技術を学ぶ仕組みになっています。一般的に、職業訓練期間は3年間です。今回は、少女たちの一人を紹介いたします。

 

*フランソワーズ

フランソワーズは、福祉センターの職員に紹介されて、私たちのNGOに受け入れた少女です。2年前の2017年に来た時、彼女は14歳でした。彼女の両親は村落部で農業をしていましたが、父親を早くに亡くしてしまいました。父親の死後、父方の親族は慣習に従って、母親に親族の男性と結婚するように迫りましたが、母親はそれを断りました。それで親族たちは、フランソワーズと彼女の母に家を出ていくように言いました。そのため母親と子どもたちは、アラダ市内への引越しを余儀なくされ、とうもろこしの主食を作って売ったり、洗濯の代行をするなどして細々と暮らしていました。

フランソワーズは学校に通っていましたが、家族の食費を減らすために、首都の少し裕福な家に家政婦として送られました。報酬は食事だけでした。彼女は5年間働きましたが、ある時母親に会いにアラダに帰った時、もう二度と奉公に出たくないと泣いて閉じこもりました。最初母親は奉公先に帰って欲しいと言いましたが、フランソワーズが泣いて断ったためなんとか家にいられることになりました。しかし家が貧しいため、どうにかならないかと母親が福祉センターに相談に行き、そこで私たちのNGOが紹介されることになりました。

フランソワーズは、恥ずかしがり屋で口数は多くありませんが、髪結いの仕事が好きでとても真面目に取り組んでいます。母親と生活をしながら訓練所に通っていましたが、母親が病気になって家を空けることになった時は、NGOの建物で寝泊りしていたこともありました。それでも寂しさに負けずに、訓練に頑張っています。将来は、ベナンの経済首都コトヌーで自分のアトリエを持ってみたいと語っています。

髪結いの練習をするフランソワーズ(写真左)