故郷に家を建てました(エチオピア)
西 真如 「じつはこの間、故郷にいる両親のために、家を建ててあげたんだ。」と、アジスアベバ(エチオピアの首都)で借りたレンタカーの運転手が、とても誇らしげな口調で言った。見たところ、二十歳になるかどうかの若者だ。それを聞…
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西 真如 「じつはこの間、故郷にいる両親のために、家を建ててあげたんだ。」と、アジスアベバ(エチオピアの首都)で借りたレンタカーの運転手が、とても誇らしげな口調で言った。見たところ、二十歳になるかどうかの若者だ。それを聞…
藤本 麻里子 私は野生チンパンジーの調査でタンザニア西部、タンガニイカ湖畔のマハレ山塊国立公園に1年間滞在した。我々の調査には、日々の生活や調査をサポートしてくれる、昔からこの森に住んできたトングウェ族の人々の協力が不可…
丸山 淳子 好きだよ。愛してる。結婚しよう。男の子たちは、いとも簡単に、そんな言葉を投げかける。盛り場で、ビールを片手に、躍りながら、そうやって女の子たちを口説く青年を見て、大人たちは眉をひそめる。そして、私が盛り場で夜…
八塚 春名 私の親友ステラは、23歳のおしゃれでかわいい女の子。彼女は私の調査村で生まれ、小学校を卒業した後、兄弟や親戚を頼って3つの町を転々としながら洋裁の学校に通ったり、家政婦として働いたりしてきた。彼女の3つめの居…
岩井 雪乃 「美人」はもてる。そして、女の子はみんな「美人」になりたい。それは万国共通の願いだろう。では、アフリカの「美人」の条件とは何なのか?タンザニア、セレンゲティの村に滞在して間もないある日、私は男の子たちにきいて…
織田 雪世 ・・・誰が誰だか、ちっともわからん。 最初の悩みはそれだった。ガーナの首都アクラではじめた暮らし。誰の顔もみな同じにみえた。おかげで、名前と顔がちっとも一致しない。せめて髪型を目印におぼえようと…
村尾 るみこ 私は今、ザンビアの西部州に来ている。思えば、ザンビアで新年を迎えるのは、2001年にはじまり今回で4回目だ。村でのにぎやかな新年や、タウンでの騒々しい新年は、日本での新年より不思議と濃厚に記憶に残っている。…
安田 章人 その日の朝、モジボ(mojibo)と呼ばれる村の伝統医の家に人が集まっていた。どうやら、隣の村から腹痛を訴える男性がやってきたらしい。初老の伝統医は家を離れると、しばらくしてなにかの植物とニワトリを手に戻って…
服部 志帆 カメルーンの森に暮らす狩猟採集民バカ・ピグミーは、森の植物を材料にさまざまな種類の薬を作ります。薬は彼らの言葉で”マ(ma)”と呼ばれ、身体の病気に処方されるもののほかに儀礼や呪術、お…
溝内 克之 静まり返った草原 揺れる火 老人が悠久の時を重ねてきた伝説を語ってくれる 漆黒の闇 空と大地との境界を見失う 雲に隠れていた満月が顔を出す 漆黒の闇が月明かりに侵食されていく こんなアフリカの夜もきっと楽しい…
西崎 伸子 エチオピアの夜は動物達が駆けずり回る恐ろしい暗闇が広がっている。わたしはそれらの動物との「戦い」に毎夜神経をすり減らしてきた。動物といってもライオンやヒョウといったアフリカを象徴する雄大な大型野生動物を想像し…
服部 志帆 住居を作る女性 中央アフリカのコンゴ盆地一帯に広がる熱帯雨林には、「ピグミー」と呼ばれる狩猟採集民が暮らしています。「ピグミー」は、細長い木と大きな団扇のような葉で作られたドーム型の家に住み、食料…
近藤 史 「・・・・!・・・・・・!!!」 なにやら丘の上の方から男の子たちのはしゃいだ叫び声が聞こえる。見上げれば、坂道を駆けおりてくる数人の集団。よく見ると先頭だけ加速しながら迫ってくる。あ、アレは!慌てて道をあける…
岩井 雪乃 その日、いつものように調査を終えた私の調査助手は、早く帰りたそうにうずうずしていた。「どこか行くの?」と聞いてみると、その答えは「早く家に帰りたいんだ。もう2日もお母さんの顔を見てないからね」。 えー!!2…
八塚 春名 私がお世話になっているタンザニアのアマタさん一家のお父さんは、日本にいる私に時おり手紙をくれる。手紙はいつも“私たちの家族であるハルナへ”で始まる。 私の家族 左からお父さん、孫2人、遊びに来た筆者の友達、ウ…
八塚 春名 「テンカ(Tenka)」 これは2003年12月11日に私に与えられた名前であり、ある植物の名前でもある。 タンザニアのサンダウェという人々の村で調査を始めた頃の私は、「私もサンダウェ語の名前が欲しい」と思っ…
村尾 るみこ 「ああ、あの木の下でおろしてくれ。あのムシビの木だよ」 中年の男性がそう言って、満員のトヨタハイラックスを止めて下車した。私も続いて降りると、近くで遊んでいた村の子供が「おかえりーおかえりー」と叫びながら一…
西崎 伸子 アフリカのどんな田舎に行っても子どもたちがサッカーに興じる姿を目にする。彼らは空気が抜けてペコペコになったボールを日が暮れるまで裸足で追い掛ける。そして大人たちは,もはや日本では「遺物」となったアナログ式ラジ…
服部 志帆 さんさんと照りつける太陽のもと、捨てられた赤い靴の中から薄緑色の小さな芽が顔をのぞかせています。ラフィアヤシの葉でふかれた集会所の屋根の上では、青い空に向かってふぞろいに、しかしまっすぐに伸びる植物たちがにぎ…
西 真如 エチオピア高原の長い雨期が明ける頃になると、首都アジスアベバで暮らす商人達が一斉に店を閉め、自家用車や貸切のバスを連ねて故郷の村へと出発する。 彼らが目指すのは、アジスアベバから150kmほど南西にある南部州グ…