リフトバレー・ホテルの思い出(エチオピア)
西崎 伸子 旅をしている者にとってその日の宿をどうするのかというのは大事な問題だ。バックパッカーをしていた二十代前半は「安ければ安いほどいい」と考えていた。予約はせずに,行きあたりばったりでとにかく安い宿を探した。そうす…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
西崎 伸子 旅をしている者にとってその日の宿をどうするのかというのは大事な問題だ。バックパッカーをしていた二十代前半は「安ければ安いほどいい」と考えていた。予約はせずに,行きあたりばったりでとにかく安い宿を探した。そうす…
丸山 淳子 夕刻、女性たちがスカートをたくし上げ、豊かなおしりを見せながら、踊りだす。この家の少女が初潮を迎えたことを祝って、古くからブッシュマンのあいだに伝わる「エランド・ダンス」が始まった。エランドはカラハリに生息す…
村尾 るみこ 「ウェレラ!ウェレラ!ウェレラ!・・・」 チテンゲとよばれる腰に巻く布を振りかざし、砂埃をまきちらして数十人の女性と子供がマキシに掛け声をかける。 マキシとは、一般には現在アンゴラからザンビアにかけてすむい…
黒崎 龍悟 うっとおしい酔っ払いも多いが,飲酒の場はなかなかおもしろい場所だ。そこでは人々は少人数のグループになって,地酒をまわし飲みする。酒を飲むことが村の人々にとって重要な娯楽なのはいうまでもない。 ニヤサ湖も近いタ…
山野 香織 「こうやって飲むのは、親しいというしるしだよ」 一つの大きなプラスチックのコップにボルデをなみなみと注ぎ、二人の女性がそれを同時に飲む。口を極力近づけないと、その隙間からボルデがこぼれ落ちてしまいそうだ。しか…
丸山 淳子 暑いカラハリの真っ昼間、めずらしく1人でぼんやりしていた私に、突然、小さなお皿が差し出された。お皿の上には揚げたてのドーナツが4つのっている。さっきまで、甲高い歌声を響かせながら、跳ねまわっていた3人の少女達…
黒崎龍悟 私がフィールドで楽しみにしている食べ物のひとつにマンゴーがある。高価なイメージがあったので日本では食べる機会はなかったが、タンザニアに行くようになったのをきっかけにこの果物のおいしさを知るようになった。最初にマ…
村尾るみこ ザンビアでは、特にここ10数年の間にどんな田舎町のマーケットでもずいぶんいろいろなものが売られるようになってきた。店舗数も増え、来客数も着実に増加している。それとあわせて、ちょっと買い食いして歩きながらでも手…
八塚 春名 アフリカに住み始めた頃、 初めてその声を聞いた時はワクワクした。 初めて双眼鏡越しにその姿を見た時は嬉しかった。 そして、初めて食べた時はそのおいしさに驚いた。 色とりどりのきれいな姿、毎朝すてきな声で歌う小…
森下 敬子 日本では、特段必要な物がなくてもぶらぶらとウィンドーショッピングに出かけるのが好きな私でも、エチオピアの市場に出かけるのはあまり好きではなかった。値札がついているわけではないので、まず値段交渉から始めなくては…
八塚 春名 リフトバレー熱という人畜共通感染症をご存知だろうか?今年、タンザニアではリフトバレー熱が流行し、特に私の調査地域であるドドマ州は被害が大きく、人への感染も確認された。ドドマの町でも私の調査村でも、“人が100…
鈴木 郁乃 朝起きて外に出ると、お世話になっている家のお母さんが、土器の皿の上でケッツァ(トウモロコシ等の粉を水で溶いて作ったパンケーキ)を大量に焼いていた。家族が食べるにしては、どう見ても多すぎる量のケッツァをどうして…
近藤 史 「川で水くみ、洗濯、行水」。アフリカの農村の水事情といえば、てっきり、この3つがセットになっているものと思いこんでいた。それから、どこへ行っても生水は飲むべきでないと頭でっかちに恐れていた。アフリカ大陸の内部が…
西崎 伸子 「この茶色い水を私は飲んでいたのか」と溜池を前にしばし愕然とした。エチオピアに出かける前にさまざまな人から,蛇口をひねれば出てくる透明な水道水でさえも10分以上沸かして飲みなさいと教えられてきた私にとって,と…
村尾 るみこ ザンビアの西側には、西隣のアンゴラから移住してきた人びとが住んでいる。 特に20世紀半ばから始まったアンゴラでの戦争を避けるため、 多くの人びとが難民となって逃げてきた。 2002年にようやく戦争がおわり、…
岩井 雪乃 日本では、就職活動といえばある程度パターンがあります。インターネットや職安で求人を探し、企業が開催するセミナーや説明会に参加する。企業に履歴書を送り、何度か面接をして採用に至る。服装は黒いスーツ。髪は茶髪は許…
溝内 克之 「ジャコブは、家で商売をだめにしたんだ。」 タンザニアの中心都市ダルエスサラーム(以下、ダル)でキオスク(注1)経営者にインタービューしているときにジャコブの話題がでてきた。私がジャコブと出会ったのは、表通り…
榊原 寛 ザンジバル島の住宅街や農村を歩いていると、ブロック製の壁が途中までしか作られていなくて放置されたような家がたくさん建っています。屋根もなく、窓枠もなく、家の中は草が生え放題。これは一体何?人が住まなくなって崩れ…
飯田 優美 いろいろなかたちをした田んぼの間を、畦道が緩やかに曲がりくねりながら続いている。乾季のはずなのに、毎日のように降る雨のおかげで、田んぼや畦道の青さが美しい。だがそこには、青々した草木からは想像できないような弱…
西 真如 「じつはこの間、故郷にいる両親のために、家を建ててあげたんだ。」と、アジスアベバ(エチオピアの首都)で借りたレンタカーの運転手が、とても誇らしげな口調で言った。見たところ、二十歳になるかどうかの若者だ。それを聞…