笑顔で都会の扉をひらく(ガーナ)
織田 雪世 「ほら、これがゴムの木だよ。」 コブナ兄さんが、畑を案内してくれていた。コブナ兄さんはとても魅力的だ。人懐こそうな瞳。惹きこまれそうな笑み。ただどうも、気になってしまうのだ。まっ白い上の前歯の間にあいた、大き…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
織田 雪世 「ほら、これがゴムの木だよ。」 コブナ兄さんが、畑を案内してくれていた。コブナ兄さんはとても魅力的だ。人懐こそうな瞳。惹きこまれそうな笑み。ただどうも、気になってしまうのだ。まっ白い上の前歯の間にあいた、大き…
山野 香織 エチオピアは東アフリカに位置する陸に囲まれた国。魚が豊富な海に囲まれた日本とは違って、エチオピアでは湖の周辺を除いては魚を食べる地域はあまりない。その代わりに、肉類や豆類が多い。とくに代表的な料理には、それら…
中川 宏治 「チャイナ!」と言って近づいてきた男は、何気ない顔つきで右手に持った草の切れ端のようなものを食べている。左手には、その草の束を持ち、唇には、抹茶色のドロドロした液体がついている。一本ずつ草をとっては、表面を歯…
藤本 麻里子 タンザニアの農村部では、アヒルや鶏などの家禽が数多く飼育されています。それらの家禽は、夜には鳥小屋に入れられますが、昼間は放し飼い状態で、どこからともなく鶏やアヒル、ヒヨコがやってきて、民家の庭先や時には家…
八塚 春名 Daima ninakukumbuka. 永遠にあなたのことを忘れない 東アフリカの布、カンガは、下端にことばがプリントされている。かれらは人にカンガをプレゼントするとき、そのことばを参考に選ぶ。”Daima…
山野 香織 関西では夏祭りの時期になると、だんじり(関東でいう山車)に乗せている太鼓の、タンタカ、タンタカ、タンタカ、タンタン、タンタカ、タンタカ、タンタカ、タンタン・・・・・・という音がどこからともなく聞こえてくる。幼…
丸山 淳子 緑の小さなノートとペン。ブッシュマンたちと過ごすあいだ、私はこの2つを手放すことはない。日々、直面すること、聞かせてもらった話を記すことは、調査生活の基本といってもいい。そうでもしなければ、私には、あの豊穣な…
藤本 麻里子 自分の母語について読み書きが出来る、このことを私は当前のように考えていた。日本では義務教育の小学校に上がる前から各家庭では、両親が子供にひらがなを教えたり、自分の名前の漢字を書けるように教えたりする。ところ…
井上 真悠子 日本で子供に泣かれると、とても困ってしまう。近所迷惑だろうかと慌ててしまったり、ああ、どうやったら泣きやんでくれるんだろう、と困惑したり。いっそこちらが泣きたくなるくらいに、とにかく何とかして泣きやませよう…
八塚 春名 わたしは自他共に認める愛犬家。我が家の愛犬はいつもぬくぬく、ゆったり、のんびり生活している。一方、アフリカの犬はいつも「イタイ!」とでも訳せばいいのか、そんなかわいそうな声をあげて泣いている。 タンザニアでわ…
八塚 春名 おしゃべり好きな人たちの間に、何か新しい事件が起こると、そのうわさは尾ひれや背びれをつけて、さらには足もついているのでは?というスピードで、広まっていく。どんどん広まるうわさの行方は、いったいどこなのだろうか…
藤本 麻里子 タンザニア連合共和国の西の端には、その深さが世界で第2位を誇るタンガニイカ湖がある。広さは琵琶湖の約50倍にもなる巨大湖だ。タンガニイカ湖は、タンザニア、コンゴ民主共和国、ブルンジ、ザンビアの4カ国に接して…
西 真如 エチオピアの首都アジスアベバで暮らす友人のイブラヒムは、毎年11月が近づくと、長距離走のトレーニングを始める。2001年から毎年開催され、今やエチオピ アの人たちにとって国民的行事となった1万メートル走の大会&…
アフリック・アフリカのメンバーがこれまでに書きためてきたエッセイをよりすぐって一冊の本にまとめました。エッセイ集第1弾です(2007年発行)。背表紙にアフリカの布(カンガ)をまとったオレンジ色の冊子。アフリカへの思いをこ…
黒崎 龍悟 イカンガーといえばかの有名なタンザニア出身のマラソン選手である。しかし残念ながらタンザニア国内での知名度はそれほどでもない。世界に誇るイカンガーなら外国人との会話の中で話題にのぼってもよさそうなものだが、私の…
井上 真悠子 私の肌が白いからなのか?外国人はみんなお金持ちだと思われているのか?それとも、適正価格を知らないと思われているからなのか? 買い物をしようとして、適正価格以上の値段を言われるたびに、そんなことを考えてしまう…
松浦 志奈乃 タンザニア北東部の緑生い茂る山の上。週2回の定期市場はとてもにぎやかです。いろんな農作物、香辛料、魚、衣料品、雑貨。様々なものが売られ、売る人も買う人も山中から大勢集まってきます。鍋としてこの地域のみんなに…
八塚 春名 「日本では、いつもそんなに値切るの?」 ある日、久しぶりに町に出かけた私は、村から一緒に来た友人セメニと市場へ出かけた。村ではほとんど手に入らない大好きなマンゴーを手に取り、「まけて!でなければ、ひとつおまけ…
西 真如 数名の人間が一緒になって何かをはじめようというとき、昨日まで自分が生きてきた世の中に何かを付け加えたいという思いが、そこにはあるのだと思う。付け加えられたその何かは、それまでの世界を、ほんの少し違ったものにする…
岩井 雪乃 「セレンゲティの農村の人びとは、人生の中でたった1人になる時間はあるのだろうか?ないのではないか?」と思うほどに、彼らが1人でいることはない。家にいるときは大家族の誰かがいるし、水汲みや薪集め、畑仕事などの外…