ゴミを許容する暮らし
八塚春名(タンザニア) 2016 年 9 月のある日、朝からみんながゴミ拾いをはじめた。コーラやスプライトのペットボトル、ビールの空き瓶*、ビニール袋、ビスケットの包装袋、段ボール。それらを一か所に集めて燃やしていたの…
NPO法人「アフリック・アフリカ」のホームページです
八塚春名(タンザニア) 2016 年 9 月のある日、朝からみんながゴミ拾いをはじめた。コーラやスプライトのペットボトル、ビールの空き瓶*、ビニール袋、ビスケットの包装袋、段ボール。それらを一か所に集めて燃やしていたの…
近藤 史 タンザニア南部ンジョンベ州の農村に通い続けて、かれこれ20年が経った。そのあいだに、彼の地では植林が盛んになり、はげ山の連なっていた丘陵が黒々とした森で覆われ、林業景気に沸いた。土壁に草葺き屋根の家々がみるみる…
溝内 克之 「検査の結果は、アメーバ赤痢。なにか変なもの食べたり飲んだりした?え、ムベゲ?街で買ったムベゲ。それが原因ね。街のムベゲは、キタナイからね。」 私を診察したタンザニア人医師は、日本人がバナナの酒ムベゲを飲んだ…
佐藤 秀 伝道師の仕事 「父よ、あなたの慈しみに感謝してこの食事をいただきます。この大地の恵みを祝福し、私達の心と身体を支える糧としてください。聖霊の御名によって、アーメン。」 タンザニア・キリマンジャロ山麓の標高約1,…
八塚春名 2020年3月16日。タンザニア第1号のコロナ感染者が出たというニュースを、わたしはタンザニア南部の町イリンガのホテルで聞いた。さっきまで一緒にいたレンタカーのドライバーさんに電話をしたら、「車のラジオでニュー…
岩井雪乃 タンザニアは、新型コロナに対して、ロックダウンなどの厳しい制限は取っていません。手洗いや屋内でのマスク着用は奨励しているものの、経済活動を優先する方針で、いわば、アフリカのスウェーデンのような独自路線の国です。…
岩井雪乃 追払いチームの活動の安定 ゾウ被害を減らす要となる追払いチームのメンバーは、ミセケ村では約60人になっています。2018年度に建設した3つの見張り小屋が今年は活用されて、メンバーの負担を軽減しています。2019…
黒崎龍悟 研究のフィールドとしてタンザニアに通うなか、現地でお世話になっている人たちにお土産をもっていくことがよくある。 こどもたちに対しては、簡単なおもちゃや文房具などを持っていくことが多い。ときどき、多くの子どもに配…
八塚 春名 「わたしの『入れもの』をもって来て。」 寝る準備を始めると、いつもおばあちゃんは姪のイバンヌにそう言っていた。イバンヌは、それまで外でわたしたちが使っていた椅子やゴザをぜんぶ家の中に入れて、最後にその「入れも…
黒崎 龍悟 タンザニアの人たちはとてもきれい好きだ。町を行く男の人たちはパリッとアイロンのかかった服を着ている。女の人たちはカラフルな生地で仕立てた服をまとっている。それにひきかえ私はタンザニアに行ったばかりのころ、よ…
岩井 雪乃 タンザニアのセレンゲティ国立公園周辺に暮らす農民は、アフリカゾウが村に入ってきて畑を荒らして、生活をおびやかされている。かれらが畑からゾウを追い払うために使っている秘密兵器は、「爆音器」である。先端に火薬をつ…
井上 満衣 2016年からタンザニア、キゴマ州のとある村で私は、現地の小学生を対象に調査を行ってきた。タンザニアの初等教育は7年制である。2016年は小学6年生を、続く2017年は小学7年生に持ち上がった子どもたちを追跡…
藤本 麻里子 タンザニアのインド洋島嶼地域では、漁業・漁撈が盛んで様々な魚介類が利用されている。私はこれまでザンジバルで漁業・水産業の調査を行ってきた。特にスワヒリ語でダガー(dagaa)と呼称されるカタクチイワシの干物…
黒崎 龍悟 タンザニアはキリマンジャロの名で知られるように、コーヒーの産地で有名だが、世界的に見ればコーヒー生産のシェアは、ブラジルが圧倒している。ブラジルには機械化されている大農園もあるようで、コーヒーの実(コーヒー・…
岩井 雪乃 彼は、畑の作物を食べにくるアフリカゾウを追い払うチーム(注1)のリーダーだ。彼の身のこなしは、とてもしなやかで、チームメンバーの中で際立っている。刺だらけのアカシアの林をさっそうと駆け抜ける姿、ゾウを探す鋭い…
溝内 克之 「トン、トン、トン」 夕方、心地よいリズムの音が家畜小屋から聞こえる。ここ数日体調を崩していたムシェク(高齢の女性の尊称)が、干し草を切る音だ。干し草を切るための板は、長年、使われてきた結果、ナタが当たる部分…
八塚 春名 「今度くるときは、赤と青と、黒と黄色と…とにかくたくさんビーズを買ってきてね」とママ・マチョ。「あと、白もいるわ」とヘレナ。わかったよ、うん、うん、と相槌をうっていると、「ハルナも作りなさい、簡単だから」と、…
宮木 和 白い砂地につよい日差しが照りつける。サバンナをすこし歩いただけで頭がぼうっとしてきて、足が前に出なくなってくる。休むのにちょうどよさそうな木陰を探して、地べたに腰掛ける。やたらと体温があがっていることに気づいて…
今日はマティンデの結婚式。マティンデは、アフリック事業「セレンゲティの雨基金 」で、中学校の学費を支援してきた女の子だ。中学校を卒業したあとは、秘書のスキルを学ぶカレッジに進学し、そして、在学中に花婿と知り合い、卒業と同…
溝内 克之 「配属先は、ムトワラ州」 その言葉を聞かされた瞬間、カリスタは泣き崩れたという。彼女は私が以前からお世話になっている家族の娘さんで教員養成校で学んでいた。卒業した彼女は、父親の故郷や家族がいる州への赴任を希望…